交感神経の調子が狂うことから多汗症になると、異常なほど多量の汗をかくようになり、それは特に手のひらや脇、そして頭などに出ます。多汗症を治すにはボトックス治療というのがあり、主に手のひらやわきの下に使います。ボトックス治療が行われる場合、多汗症とワキガは、よく混同されるようです。ワキガは汗に独特のにおいがあるのがその症状で、多量の汗をかくことが特徴の多汗症とは厳密には違うわけで、治療も別のものなのです。昔の食事と違い、欧米化された食事をするようになり、肉の摂取も増えているため、そのことが体臭にも影響しています。世の中がどんどん清潔志向になり、それにつれにおいを気にする人も増えて、多汗症による体臭もずいぶん気にされるようになり、人知れず悩んでいる人もいるはずです。多汗症は治療が可能で、ボトックスのほかに交感神経を切除する形成手術などもあります。多汗症の原因はエクリン汗腺からの発汗であるから、ボトックス治療ではこのエクリン汗腺の動きを鈍くすることから始めます。体の中の熱を放出するために発汗させるのがエクリン汗腺の働きで、この汗は水分がほとんどです。正常な状態でかく汗は熱い場合や体を動かしたときです。もうひとつの汗を出すところであるアポクリン汗腺は毛穴とつながっていて、体内の老廃物である脂肪、鉄分、それからアンモニアなどを体外に排出します。アポクリン汗腺はその汗がワキガの原因となっているのですが、ボトックス治療ではそれを治すことはできません。