ダニはいろいろな病気をもたらしますが、海外であったこんな恐ろしい例をご紹介しましょう。ニュージーランドで2年間にわたって耳の違和感とひどい耳鳴りに苦しみ続けている男性がいました。もちろん男性は病院に行ってみてもらいましたが、一向に原因はわからず、はじめは泡のような音だったのが、夜になるとさらに大きくなって、そのせいで眠れないようになってしまいました。それが、あるとき耳の中で変化したのです。ひどいかゆみに悩まされるようになり、いくら綿棒でかきむしっても全く治ることはなく、それから症状は悪化するばかりでした。このとき男性は医師から2度も耳の中を洗ってもらいましたが、それでも症状は治まりませんでした。男性は新たに、専門医の診断を受け、患部を覗いた看護師はそこで驚愕のものを見ました。男性の耳の中には、小さなダニが半透明の球状でびっしりと湿った部分におり、さらにダニの卵が鼓膜と外耳道に密生していたのです。その数、実に100匹ほどで、医師は男性の耳から、吸引器具でダニと卵を取り除いきましたが、やがて残っていた卵が孵化し、症状は再発したそうです。そこで今度は微生物学者の勧めで疥癬などに効くという薬を使って耳を洗浄してもらい、ようやくダニはすべていなくなり、男性は初めて長い地獄の症状から抜け出すことができたのでした。この男性の職業は鶏舎の洗浄をすることで、ダニが耳に入り込むというようなことは、鶏のえさを間違って被ってしまったときに起きたのかもしれないということです。ダニにまつわる話は結構気持ちの悪いものが多いのですが、耳にダニが住み着く話は特別としても、やはりダニには気をつけたほうがいいということでしょう。