外貨の交換比率は常に移り変わっており、市場で取引が行われている限り変動しています。2国間の通貨に対する需要、あるいは供給のバランスが代わることで、為替レートが決まります。2つの貨幣を比較した時、片方の通貨に人気がなく、もう片方の通貨を欲しいという人がたくさんいれば、外国為替市場の人たちは人気のない通貨を売って、人気のある通貨を欲しがります。人気のない通貨の価値は下がり、人気のある通貨の価値が上がります。需要と供給の変動によって物の値段が代わるのは通貨に限った話ではありません。市場原理の働く場において、ものを売買する上ではよくあることです。通貨の場合、需要と供給のバランスに大きな影響を与えているものにファンダメンダルズ要因があります。国家の経済成長率や貿易収支、卸売物価、経常収支などの指数のことですが、為替レートに中長期的な影響を及ぼします。これらの数字が上向いている国、前回と比べて成長している国の貨幣は需要が高まります。実需要因は、貨幣レートに対して短期的な影響力があります。ファンダメンダルズは期待感や投資の有益性で貨幣の価値が上がるものですが、実需要因は大会社の輸出決済などで通貨が大きく動いたことによって需要と供給のバランスが変わることです。貨幣の交換比率は、大きな政変や戦争、国家間の外交などで国の安全性、経済成長性に影響が生じた時にも影響があります。自然災害によって国の経済成長が鈍化すれば貨幣価値は下がりますし、戦争は景気を良くも悪くもしうるものです。外国為替市場では、米ドルは有事のドルと言われており、天災や戦争などの際は米ドルが必要とされ、比率が大きく変わる事がたびたびあります。